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個人事業主の離婚に伴う財産分与について(事業用財産の分与をどのように考えるか)

  • hamanasu49
  • 2 時間前
  • 読了時間: 3分

当事務所で扱っている分野について、近時の裁判例を中心に、備忘と紹介を兼ねて、簡単な内容と意義を私なりに書き留めていきたいと思います。今後、不定期に更新していきたいと思います。


本件は、婚姻前からの特有財産をどのように考えるかとも関連して、法人化していない個人事業主の事業資産の財産分与をどのように考えるかについて、参考になると考えられます。特に、婚姻前から、個人事業主として、相応の事業資産を形成していた場合には、この裁判例が示すようなところに留意する必要があろうかと思います。

※太字、下線部分は、当方にて記入したものです。


福島家庭裁判所令和6年1月16日審判(抜粋)

本件の事業用財産については、相手方が個人事業主として所有しているものであり、申立人と相手方との婚姻中かつ同居期間中において形成されたといえるものについては、原則として、財産分与の対象となる夫婦共有財産であると考えられるから、婚姻時と比較して基準時において増加した部分の事業用財産については費目を特に区別することなく対象財産とすべきである」「もっとも、相手方は、申立人と婚姻する以前から、(略)を長年にわたって経営し事業規模を拡大してきたことがうかがわれるのであるから、申立人との婚姻以前から設備投資が計画され、契約等を行い、それらに基づいて婚姻の前後の時期において取得された設備(建物、構築物、機械装置)及びその設備投資に伴う借入金については、相手方が婚姻時に既に保有していたものと評価することが相当である。

以上によれば、事業用財産については、基準時の元入金(資産-負債)である2279万4968円から婚姻時の元入金(資産-負債)である1285万9255円を差し引くと、993万5713円となり、これが婚姻中かつ同居期間中に増加し形成された資産とみるべきである。しかしながら、かかる事業用財産における資産形成については、その内容や性質等に加え、婚姻以前からの相手方個人の長年にわたる事業経営の蓄積や成果によるところが多分にあるとみられる一方で、申立人と相手方との婚姻期間は2年2か月余りであること、申立人は婚姻期間中に相手方の事業において従業員として勤務し一定の給与が支払われており(乙8)、申立人の主張するところの相手方の事業に対する申立人の貢献に対しては既に一定の評価がされていることなどの相手方の事業に関する一切の事情を考慮すると、上記993万5713円の8割である794万8570円を財産分与の対象財産として評価することが相当である。」「なお、相手方は、相手方事業の専門性及び申立人の有する技量等に鑑みると一従業員としての貢献のほかに、直接的にも間接的にも事業に対する申立人の貢献は一切なく、又は非常にわずかであるとして、事業用財産については財産分与の対象財産から除外すべきであるとも主張しているが、夫婦共有財産は夫婦間における有形・無形の経済的協力関係によって形成されるものである以上、相手方の主張する事情が仮に認められるとしてもその貢献を否定することはできないものというべきであるから、相手方の上記主張を採用することはできない。

以上によれば、分与対象財産の合計額は1051万4735円であるところ、対象財産形成に対する双方の寄与度は、特段の事情がない限り相等しいものとみて、財産分与割合は2分の1とするのが相当であるから、上記合計額の2分の1と各人名義の資産との差額を基礎とした上で、本件に現れた一切の事情を考慮すると、相手方から申立人に対し、500万円を分与するのが相当である。

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